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- 2011/12/12 10:45
- 日記特別篇『かまいたちの夜』
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- 俺達は葵さんの悲鳴がした104号室…中田といういかにも怪しげな男の部屋…に駆けつけた。
少し躊躇したが、思い切って中に入る。
「葵さん!大丈夫ですか!?」
そんな俺の叫びにも近い問いかけに帰ってきたのは、女性の咽び泣く声だけだった。
俺と麻里は彼女に駆け寄る…が、そこでふと気づいた。
この部屋に本来居るべきはずの中田が居ないのだ。
「葵さん、何があったんですか!?」
少し強い口調になっているのを自分でも分かっていた。
「中田さんが…中田さんがっ!」
「中田さんがどうしたんですか!?」
「トオル!!カーテンの辺りに何かある!!」
「?」
カーテンの辺りを見ようとしたが、ここからではベッドが死角になって見えない。
仕方なく立ち上がり、そちらを見やると…そこにあった…いや、散らばっていたのはマネキンをバラシタかのような…人間の死体だった。
「うわっ!!?」
「何!?何があったの!?」
俺は口の中に拡がる吐き気を堪え、なんとか言葉を発する。
「駄目だ!麻里は見ちゃ駄目だ!」
それから、彼女を死体から遠ざけるため、咄嗟に指示を出す。
「麻里は速く大林さんを連れて来てくれ!…あと、出来れば葵さんも連れ出すんだ」
「わ、分かったわ」
ただ事じゃないのは理解出来たのだろう。
麻里は葵さんを連れて部屋を出て行った。
俺はそれを確認すると、そろそろとバスルームに向かった。
そして、便器の中に胃の中の物を全て吐き出した。
涙で目が滲んだ。
つづく
- 俺達は葵さんの悲鳴がした104号室…中田といういかにも怪しげな男の部屋…に駆けつけた。