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    • 2012/12/19 1:16
    • 忙しいあなたに②
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    • 仕事から帰宅すると、妻は食事の支度をととのえていた。
      僕は彼女の手をにぎり「話があるんだ」と切り出した。
      妻は何も言わず席についた。その目は苦痛に満ちていた。

      ふと、僕はどう切り出したらいいのか分からなくなった。
      でも言わなければならない。
      「離婚したいんだ」と。
      僕は冷静に、その言葉を口にした。
      妻は大したリアクションも見せず、ただ静かに聞き返した。「どうして?」

      その問いに敢えて答えないでいたら、妻はとうとう怒りをあらわにした。
      彼女は箸を投げ散らかし叫んだ。
      「あんたなんか、男じゃない!!」

      その夜、その口論のあと僕らはとうとう一言も言葉を交わさなかった。
      妻のすすり泣く声がかすかに聞こえた。
      わかっている。
      どうして僕らがこうなってしまったのか、妻はその理由を知りたがっているのだ。
      でも僕は、彼女を納得させられるような説明をとうてい与えられるはずはなかった。
      それもそのはず。僕は「ジェーン」という他の女性を愛してしまったのだ。
      妻のことは…もう愛していなかった。
      ただ哀れんでいただけだったのだ!

      深い罪悪難に苛まれながら、僕は離婚の「承諾書」を書き上げた。
      その中には、家は妻に譲ること、車も妻に譲ること、僕の会社の30%の株も譲渡することを記した。
      彼女はそれをチラと見ただけで、ビリビリと破り捨てた。
      僕がこの10年という月日を共に過ごした、この女は
      僕にとってもはや「見知らぬだれか」に成り下がっていた。
      彼女が今まで僕のために浪費した、時間、労力、エネルギーに対しては、、、本当に申し訳ないと思っている。
      でも
      自分が「ジェーン」を愛しているという気持ちに、これ以上目を背けることは出来なかった。

      承諾書を破り捨てたあと、妻はとうとう大声をあげて泣き始めた。
      ヘンな言い方だが、僕はその彼女の泣く姿を見て少しホッとしたのだ。
      これで離婚は確定だ。
      この数週間、呪いのように頭の中につきまとっていた「離婚」という二文字は、
      これでとうとう現実化したのだ。

      その翌日、僕は仕事からかなり遅くに帰宅した。
      家に戻ると、妻はテーブルに向かって何かを一生懸命に書いていた。
      夕食はまだだったが食欲など到底なく、僕はただベッドに崩れるように倒れ込み寝入ってしまった。
      深夜に一度目が覚めたが、その時も妻はまだテーブルで何かを書いているようだった。
      僕はもはや大した興味もなく、ふたたび眠りについた。

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