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- 2012/3/28 22:23
- 一番大切なもの
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自分にとって一番大切なものって何でしょうね?
家族・恋人・友人?
金・権力?
健康?
私は記憶だと考えています。
全てを失った時、最後の拠り所になるのは過去の記憶ではないでしょうか。
この考えは以前、生きる権利も奪われてしまう人間を描いた小説「私を離さないで」(カズオ・イシグロ著)を読んで再確信した。
ところが、、、
そんな考えに一石を投じる事実(本)に出会ってしまった。
坪倉祐介著「記憶喪失になったぼくが見た世界」(朝日文庫)
題名の通り、著者の坪倉さんが事故で完全に記憶喪失になってからの事を綴った本。
読み始める前、
これまでの記憶が全て消えてしまったら、絶望するしかないのだろうと思ってた。
でも違うんですね。
本当に全てを忘れると「悲しい」という事も分からなくなってしまうんですね。
言葉の意味も生活習慣(例えば食事すること)も忘れてしまうので、幼児とほぼ同じ状態。
だから記憶喪失の直後は絶望ではなく、全ての事に対して「ナゼナゼ」から始まる。
そして自我が再構築されていくと過去の自分にナゼナゼが向けられて行く。
そこで過去の自分の記録(写真や手紙など)見てみるのだが、記憶は戻らず葛藤の時期がやってくる。
自分の過去が頭の中で真っ白ですからね、苦しむんです。
でも、そんなこんなで最終的には立派に自立されるので驚き。
で、本の最後で記憶について語られています。
どんな事を語っているか、それは読んで確認してみてください。
以上、記憶の事を中心に述べましたが、この本の一番の読みどころは、
幼児と同じ純粋無垢な感覚で見た世界が語られている事だ、と付け加えておきます。
本の出だしを読めば、すぐに分かるはずです。
個人的には色についての話が好きだな。