タムケンさんとモバ友になろう!
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- 2013/3/10 6:47
- スターティング・オーヴァー その2
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- 7 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:45:42.87 ID:oIV6bjxg0
僕が紙袋をごそごそやっていたせいで、
二段ベッドの下で寝ていた妹が、目を覚ました。
妹は眠たげな目で枕元のテディベアを眺めて、
少し遅れて、「わあー」と歓声をあげた。
僕ははしごを下りて、妹のベッドに腰掛け、
テディベアに夢中な妹に、「なあ」と話しかけた。
「兄ちゃんは、十年後から戻ってきたんだよ」
妹は寝ぼけた様子で、「おかえりー」と笑った。
僕はなんだかそれが気に入っちゃって、
「ただいま」と言って妹の頭を撫でた。
妹は不思議そうな顔で僕の顔を見つめた。
8 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:49:46.17 ID:Vh3O1dLl0
タイムトラベラーか
9 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:52:27.68 ID:oIV6bjxg0
僕は自分の最高の思い付きを誰かに披露したくて、
目の前にいる七歳の妹に、こう言った。
「今の僕には、これから自分が犯す過ちだとか、
本当にやるべきことというのが、分かるんだ。
今からなら、神童にだって、予言者にだってなれる。
でも、僕はなにひとつ変える気がないんだ。
前と同じ人生を送られれば、それだけで十分だからね」
テディベアを抱えた妹は、僕の顔をぼうっと見つめて、
「よくわかんない」と正直なところを答えた。
10 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:56:03.68 ID:oIV6bjxg0
一周目の再現に関して、僕は妥協しなかった。
周りの連中をコケにしたくなるのを我慢して我慢して、
わざわざ一周目と同じ事故に遭いさえしたんだ。
何をするにも、手を抜くことに真剣だったね。
我ながら、僕はよくがんばった方だと思うよ。
それでも、蝶の羽ばたきひとつ程度の違いで、
人生ってやつは、かなり変わってしまうものらしい。
二周目に入って五年も経つ頃には、僕の人生は、
一周目のそれとは、大きく様変わりしていたんだ。
11 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:58:53.15 ID:17W4Fft10
これは斬新。期待。
二周目も同じ人生かぁ・・・
そう言える人生が良かったな
- 7 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 22:45:42.87 ID:oIV6bjxg0