タムケンさんとモバ友になろう!
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- 2013/3/10 6:47
- スターティング・オーヴァー その3
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- 12 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:01:05.84 ID:oIV6bjxg0
何から話せばいいかも分からないけど、
とにかく、一から十まで変わってしまったんだ。
一言でいうとね、僕は、落ちぶれたんだ。
一周目の人生からは、とても考えられないほどに。
理由は後で詳しく説明するけど、一例を挙げると、
一周目で親友だった人物にいじめられたり、
一周目で恋人だった女の子にふられたり、
一周目で通っていた高校の受験に失敗したり。
奇跡的な悪循環が生じたわけだよ。
13 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:01:39.19 ID:Vh3O1dLl0
バタフライ効果恐るべし
14 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:05:14.62 ID:oIV6bjxg0
そんなこんなで、高校生になる頃には、
僕はすっかり暗い人間になってしまっていた。
志望校には落ちて、ろくでもない高校に入って、
芽生えかけていた人間嫌いに磨きがかかってさ。
絵に描いたような孤独な人間になったんだ。
だから二周目の高校時代の思い出ってのは、
ほとんどないんだ。卒業アルバムも捨てちゃった。
寂しいもんだよ。修学旅行さえ苦痛だったんだ。
15 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:10:47.95 ID:oIV6bjxg0
でも、ひとつだけ、悪くない思い出がある。
高校二年生の冬、ひどい吹雪の日だったな、
僕はがたがた震えながらバスを待ってたんだ。
その時、僕はふと、少し離れた場所で
僕と同じようにバスを待っている女の子が、
見たことのある顔だってことに気付いた。
いや、忘れるはずもないんだ。
それは一周目では僕の恋人だった女の子だ。
十五歳で付き合い始めてからは、ずっと傍にいたんだ。
それが、二周目では、あっさり告白を断られてさ。
思えば、悪循環の始まりはそこだった気もする。
16 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:16:14.33 ID:oIV6bjxg0
向こうは、僕に気付いてないみたいに見えた。
そうでなくても、僕の存在なんて、
とうの昔に忘れちゃってたかもしれない。
それでも僕の目には、寒さに震える彼女が、
なんだか寂しそうに見えて――隣に誰か、
温かい存在を必要としているように見えたんだ。
いやあ、実に自分に都合のいい想像だよ。
それでも僕は幸せだった。だってさ、
自分が必要とされている気がしたんだ。
あの子にはやっぱり僕が必要なんだって、
幸せな勘違いをすることができたんだ。
- 12 :名も無き被検体774号+:2012/10/18(木) 23:01:05.84 ID:oIV6bjxg0