タムケンさんとモバ友になろう!
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- 2013/3/10 6:45
- スターティング・オーヴァー その6
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- 38 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 00:03:30.44 ID:oIV6bjxg0
かつて僕と妹は、周りがあきれるくらい仲良しで、
僕に恋人ができるまでは、どこへ行くにも一緒だった。
でも二周目では、口をきかないどころか、
目さえ合わせようとしなかったね、お互いに。
妹は僕のことを嫌っていたんじゃないかな。
だって、たまに珍しく口を開いたかと思えば、
それは大抵、僕に対する文句だったからね。
「目つき悪い」とか。人のこと言えないだろ。
いやあ、実に悲しいもんだったよ。
娘に嫌われた父親って、こんな気分なんじゃないかな。
39 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 00:09:19.30 ID:vRIuLzlA0
ところが、僕がドッペルゲンガー殺害計画を立て、
嬉々として殺害方法を考えていた夜、その妹が、
一人で僕のアパートにやってきたんだ。
僕のことが大嫌いなはずの妹がだよ。
ちょうど、初雪が観測された日のことだったな。
あまりに寒いから、やむなくヒーターを点けて、
懐かしい感じのする灯油の匂いが部屋に満ちて、
そのとき、部屋の呼び鈴が鳴ったんだ。
制服にカーディガンを重ねただけの格好の妹は、
白い息を吐きながら、僕の目を見ずに言った。
「しばらく、ここに泊めてちょうだい」
40 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 00:11:02.59 ID:uDVrCzbz0
妹も二週目とかだったら最高だったのにな
41 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 00:14:26.01 ID:vRIuLzlA0
本人はその言い方をしたがらなかったけど、
妹のしていることは、いわゆる「家出」だった。
らしくないことをするな、と僕は思ったな。
たとえ家に不満があっても、家出のような
意味のない行動に出るやつには見えなかったし。
「どうやってここまで来たんだ?」と僕がたずねると、
妹は「どうだっていいでしょう?」と模範解答をした。
「汚い部屋」と妹は言った。「趣味も悪いし」
「嫌なら出てけ」と僕も模範解答をした。
一周目の妹だったら、苦笑いしながら掃除して、
美味しい料理でも作ってくれたんだろうけど。
- 38 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 00:03:30.44 ID:oIV6bjxg0