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- 2013/3/10 6:44
- スターティング・オーヴァー その8
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- 64 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 20:30:59.57 ID:vRIuLzlA0
妹は、僕の部屋で一日中本を読んで過ごすらしい。
僕が家を出て行こうとすると、妹は顔を上げて、
「おにいちゃん、大学行くの?」と聞いてきた。
「殺害したい相手の生活パターンを知りたいから、
ストーカーしに行くんだ」と言うわけにもいかないから、
僕は「そう、大学だよ。七時には帰る」と答えておいた。
今年中には、この問題に決着をつけたかったんだ。
ドッペルゲンガーと元恋人が共にクリスマスを過ごしたり
新年を迎えたりすることなんて、考えたくもなかったからね。
65 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 20:38:33.01 ID:vRIuLzlA0
その頃になると、さつがい方法は既に決まっていて、
ドッペルゲンガーの行動様式も大体把握して、
実を言うと、とっくに行動に移っても良い頃合だったんだ。
それでも僕がだらだらと尾行を続けていたのは、
多分、踏ん切りがつかなかったからと思う。
つまり僕は、彼が欠点を晒してくれるのを待っていたんだな。
僕は、彼が死ぬべき人間だって思い込みたかったんだ。
ころすに値する理由が、ほんの少しでも欲しかったんだよ。
困ったことに、数か月に渡ってあら探しを続けても、
彼は短所らしい短所をまったく見せないでいた。
どっちかと言うと、僕の方が死ぬべき人間なんだろうな。
- 64 :名も無き被検体774号+:2012/10/19(金) 20:30:59.57 ID:vRIuLzlA0