シロさんとモバ友になろう!
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- 2018/8/14 19:05
- ロルサンプル(降谷)※流血注意
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- 降谷 季壱
(繁華街の一角、深夜近くになってもガヤガヤと落ち着く事のない界隈の裏通り。先程から身を置いている事務所の一室は開け放った窓から入る熱風をひたすらかき混ぜるだけの扇風機が忙しなく羽音を響かせ、階下から届く世辞にも上手いとは言えない歌謡曲や下品な合いの手を程好く掻き消してくれている。目の前にはソファに横たわり額に脂汗を浮かべながら虫の息を繰り返す男。その側で自らのシャツの袖を捲り上げ、部屋中に充満しじわじわと欲求を刺激してくる血生臭さを脳内から滅却すべく静かに深く息を吐き出すと床に片膝を着いて座り、男の肌蹴られた衣服から覗く右下腹部、刃物か何かで貫かれたのであろう数センチの傷口と、まるでドラマで見る血糊のように派手にこびりついた液体にそっと視線を落とし)
…こりゃあ…随分と派手にやられたもんだな。
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(その惨状に思わず抑えた声を洩らし、辛うじてではあるがいまだ光を宿している男の視線を軽く一瞥するとよく気絶せずにいられるものだと、その気力にある種の敬意のようなものを覚えつつ視線を患部に戻せば鮮やかな赤が絶えず滲み出す傷口をそっと覆うように右の手のひらを宛がい。ひた、とまとわり付く生温かい滑りと微かに伝わってくる生々しい脈動。小さく上がる男の呻き声に動じる事なく意識を集中させると程なくして手のひらの内側から淡く小さな光の粒子を溢れさせ、そのまま数分ばかり息を詰めて)
…これで大方の傷は塞げたと思うが、下手に動けばまた開いちまう。ちゃんと、安静にさせるように。
(手のひらに感じる血流が次第に遠ざかり患部の手触りが変化した頃を見計らってようやく腹部から手を離し、出血が止まり何とか塞がったらしい傷口、幾分落ち着きを戻した男の顔色、と順に様子を窺い、ひとまず窮地を脱した事を確認すると強い疲労感に目蓋を伏せつつ長く深く息をつき。沈黙を破るように、長らく背後に佇んでいる舎弟らしき付添い人に向けて状況を告げ、じっとりと額に浮かんでくる汗を左の人差し指の背で拭いながら この手の人種に言うだけ無駄とは思いつつも一応医者の真似事らしく警告を伝えるとソファの座面に片手を着き、かねてからの貧血で白くチラ付く視界と押し寄せる疲弊を自覚しながらふら付く脚に気合いを込めてゆっくりと立ち上がり)
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- 降谷 季壱