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- 2015/12/13 18:32
- 魔術師探偵異聞録3-167
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- 「はあ?お前が猫被りなことくらい、小僧はお見通しだろうが」
「娘の恋路を邪魔するような言い方しないでよ!」
呆れ気味な宗助に対し、段々とエンジンの掛かる菜々美。
少し言い合ったトコロで、
「おーい」
結縁が2人に声を掛ける。
「周り見てみ?」
結縁が苦笑しながら促すと、菜々美は視線を巡らせる。
微笑ましく見守る親子連れ。
心配そうな子供達。
とても困った笑顔の町内会長。
などなど・・・。
菜々美は1度咳払いをしてから宗助に向き直り、
「続きは帰ってからネ?お父さん」
笑顔で告げる。
が、その背中は黒いオーラを纏っているように見えた。
「はいはい。邪魔者は退散しますよ。っと」
宗助は慌てる様子もなく振り返り、車へと向かう。
が、途中思い出したかのように足を止めると、結縁の方を向き、
「小僧、菜々美に何かあったらオメェ・・・」
睨みを効かせる。
「分かってるよ。ブタ箱行きはゴメンだからな」
結縁は腰を伸ばしながら答えた。
「なら良い。じゃあな」
宗助は今度こそ車へと向かった。
「それじゃ、もう一働きしますかネ」
結縁は菜々美の肩を軽く叩いてから河川に入る。
「はい。がんばりますよ」
菜々美は嬉しそうに結縁に続く。
その後、ささやかながら昼食会が行われ、集合写真が撮られた。
その写真は3人の部屋に永らく飾られるコトになる。
- 「はあ?お前が猫被りなことくらい、小僧はお見通しだろうが」