日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2015/10/10 22:24
- 魔術師探偵異聞録3-159
-
- コメント(0)
- 閲覧(1)
-
-
- 「さっすがは結縁さん。こんなにも早く難事件を解決するなんて」
天宮探偵事務所内。
来客用のソファに腰掛け、書類の束をめくりながら、菜々美は歓喜の声を上げている。
「今回は以外に骨が折れたよ」
結縁は仕事机で別の書類を作成しながら相槌を入れる。
ひよこは給湯室で紅茶と茶菓子とリンゴを用意していた。
ノエルはその足元でリンゴを心待ちにしている。
「あの~、ところで・・・」
菜々美は書類を何度か見直しながら訊ねる。
「ん?」
「結縁さんが格好良く大活躍するシーンを書いたページは何処ですか?」
「報告書はラノベじゃねえよ」
さすがの結縁も呆れた声を出す。
「はい、お待たせ」
ひよこは慣れた手付きでテーブルの上にティーセットを並べる。
「ありがと」
菜々美は短く礼を言ってから紅茶に口を付ける、と
「そうだ!ノエル!」
突然何かを思い出したように声を上げる。
「ふも?」
ノエルは既に口イッパイにリンゴを頬張っていたため、面白い返事になった。
「アンタなら結縁さんの活躍をいつも間近で見てるでしょ!?今回はどうだったの!?」
菜々美はノエルの肩を掴んで詰め寄る。
それでも、ノエルは慌てず騒がず、口内のリンゴを咀嚼して飲み込んでからから口を開く。
「ああ。いつもながらの大活躍さ」
「ソレを聞きたいの!」
「まあ、口止めをされているワケじゃないからね。構わないかい?主」
ノエルは一応結縁に確認をする。
「どうせ何個かのリンゴで、簡単に口を割るだろうが、お前は」
結縁は溜め息混じりに、返答する。
- 「さっすがは結縁さん。こんなにも早く難事件を解決するなんて」