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    • 2014/3/23 16:41
    • ある夏の純情~8~
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      何だかんだで俺は純夏の“彼氏”になってしまった。とは言え、普段とすることは変わらない。学校でお互いに話しかけることはしないし、もちろんこの関係も誰にも言わない。

      (“彼氏”って何だ?)

      現に今も、純夏と一緒に帰り道を歩いてはいるけれど、これは前からのことだし特別ではない。

      「なあ純夏、俺が彼氏ってことは、お前は彼女になるのか?」

      俺が声をかけると純夏は立ち止まり、振り向きざまに不機嫌そうに言った。

      「当たり前でしょ? そんなことも分からないの? ほら行くよ、早くして。」

      言って、俺の腕を掴んで足早に歩き出す。

      「は? 行くってどこに──。」

      「どこだっていいでしょ。付き合ってるんだし、放課後デートするのよ。」

      純夏の足取りに迷いはなかった。

      ───────────────

      それから毎日、俺は放課後に純夏に連れ回された。
      たい焼きやクレープの買い食いだったり、家と逆の方向の電車に乗って気まぐれに降りてみたり……。元々帰宅部の俺たちに、時間が足りないなんてことはなかった。

      「登、明日暇でしょ? 朝9時に登の家の前集合ね。」

      金曜の放課後も暗くなるまで遊んで、純夏を家まで送ったとき、純夏が言い放った。

      「暇って……。いや、確かに暇だけど。そんなに朝早くから何するんだよ。」

      明日は学校の創立記念日で、生徒は全員休みになる。一週間、毎放課後遊んだ疲れを癒すのに1日ゴロゴロしようと思っていたぐらいだから、用事は何もない。

      「デートよ。それじゃ、おやすみ。」

      純夏はさらっと言って、唖然とする俺を一人残して家に入ってしまった。

      ───────────────

      この一週間帰りの遅かった俺に初日こそ母が理由を聞いてきたものの、純夏と遊んでいたと言うとなぜか納得してしまってそれ以上何も聞いてこなかった。少し違和感を覚えたけれど、次の瞬間には別のことに意識が向かって忘れてしまった。
      俺自身、純夏の行動に何の疑問も抱いていなかった。

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