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- 2012/3/12 23:12
- ある夏の純情~5~
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『リンク:~4~』
「変化」って言うか……それは突然やってきた。
「登、ちょっといい?」
「ん? 何?」
何も変わらない帰り道のはずだった。
「ゲーセン寄ってかない?」
俺は耳を疑う。
(今純夏、ゲーセンって言ったか? 純夏の口から『ゲーセン』?)
衝撃で言葉を返せない俺をよそに、純夏は話を進める。
「登、どうせ暇でしょ? じゃ、行きましょ。」
俺を置いて純夏はどんどん歩いていく。俺は慌てて追いかけた。
「ちょ、待てよ純夏。なんで急にゲーセンなんか。」
「別にいいでしょ。ただ私が行きたいだけ。」
(純夏がゲーセンに行きたい? どういう風の吹き回しだ?)
考えが全くつかめない俺は、その後いくつか純夏に質問したけど見事にスルーされ、そうこうしているうちにいつの間にかゲーセンに着いてしまった。
「私、ゲーセンって人生で2回目なのよね。」
そう言い純夏は、相変わらずの無表情で看板を見上げる。俺にはその表情が、心なしか寂しそうに見えて、
「遊ぶよ登。金が尽きない限り。」
そこから先、無表情で遊ぶ純夏に俺は何も言えなかった。『リンク:~6~』