麒麟さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2011/8/24 18:32
- マンホール
-
- コメント(1)
- 閲覧(13)
-
-
- 彼女はマンホールの上で跳ねていた。とっても幸せそうな顔をして
なぜか「九、九、九…」と言っている
「何してるの?」尋ねてみた
しかし彼女は返事をせずに「九、九、九…」といいながら跳ねている
「無視してんじゃないよ」今度は口調を強めて言った
しかし返事はない、相変わらず同じことを続けている。
今まで特別に彼女を憎らしく思っていなかったが嬉しそうに
しかも自分を無視したことで何か急にとてつもなく強い感情が湧き起こってきた。
しかしそれを抑え込んで、「なんで、そんなことしてんのよ?」もう一度尋ねた。
それでも、彼女は何も聞こえないみたいに嬉しそうに跳ねている。
ここにきてマユミちゃんの中で今までと違った感情が生まれた。
ひょっとしたら‘マンホールの上で数字を言いながら跳ねる’ということは
とっても楽しいことではないか、そんなことを思った。
バカらしいが、微かにそんな思いが頭の中をよぎった。
戸惑いを感じながらも、
とにかくマンホールの上で楽しそうに跳ねる彼女の邪魔をしたくなった。
いじめられっこの彼女がなぜこんな楽しそうにしているのか納得できない、
そんな感情に身を任せ「ちょっと退きなさい!私がやるから」そう言って、
強引に彼女を押しのけ、マンホールの上に立った。
足をわずかに曲げ、腰を低くして思いっきり跳びあがる。
その瞬間、となりに押しのけられた彼女がすばやく渾身の力でマンホールの蓋を取った。
マユミちゃんは真っ直ぐマンホールの下に落ちていく。
彼女は蓋を閉め、とっても幸せそうな顔で再びその上でジャンプして
今度は「十、十、十…」と言いはじめた。
終わり
- 彼女はマンホールの上で跳ねていた。とっても幸せそうな顔をして