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    • 2025/5/29 6:53
    • 第五章 二人の共鳴
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    • 夜の深さが少しずつほどけるころ、
      ことははひかるの手をとった。
      言葉じゃない、気持ちが流れるような時間。
      ふたりのあいだに、やさしい沈黙が満ちていた。

      「感じる?」ことはがぽつりと言った。

      ひかるはうなずいて、目を閉じた。
      ことばにするには足りないけれど、
      胸の奥にふくらんでいくものがあった。

      それは、記憶だった。
      いくつもの朝。
      交わしたまなざし。
      ささやきと、笑い声。

      すべてが、この瞬間のために
      重なってきた気がした。

      ことはの体があたたかく震える。
      ひかるの手がそっとその震えを包む。

      「あのね」とことはがささやく。

      「いま、わたしたちのなかに…
       もうひとり、いるの」

      その言葉と同時に、
      窓の外の風がすこし揺れて、
      どこかで小さな芽が、音もなくひらいた。


      光が光を呼びあって
      音もなく ふたりは重なる
      わたしの中に あなたの記憶
      あなたの奥に わたしの願い

      たしかに ここにいる
      やわらかく ひとつにとける
      終わりのなかの はじまり
      こわれたはずの いのちが
      また あたたかく息づく

      名前もない その鼓動が
      ふたりのまなざしの先で
      小さく 微笑んでいた

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