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    • 2013/10/20 2:13
    • 果てしなく遅れたお試しの続き
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    • 「嫌いでは無いですけど……」

      「そ……」


       それきり両者の間には沈黙が落ちる。

       その間を縫うようにポツリとした雨音が響いていく。


       一定のリズムを刻む雨。

       それに誘われるかのようにシングラブはその唇を動かし、まるで伴奏とするかのように歌声を奏でていった。


       静かなバラードが雨音と混じり合い、アプリコットの耳から染み渡るように溶けていく。

       そんな感覚に感じさせる歌声に、アプリコットはいつしか目を閉じて聞き惚れていった。


      「アンタも歌いなさいよ」


       歌い終わったシングラブからそう乞われると、アプリコットはやや躊躇いながらもぎごちなく頷き、ハーモニーを奏で始めたのだった。


       二体のアイロイドの歌声は、いつしか雨の中でも人々の足を自然に止め、観衆を作り上げていた。

       そして、歌い終わると共に贈られる拍手と歓声。


       歌うのに夢中で、その事に気付かなかったシングラブとアプリコットは照れ臭さから困ったような、不機嫌を装うな顔をそれぞれにするが、素直にペコリと頭を下げて、賛辞に対しての礼を返したのだった。


      「また、一緒に歌ってもらえますか?」

      「暇があったらね」


       アプリコットの問い掛けに、シングラブはほんの僅かだけの笑みを浮かべた表情で、そっけなく返すと、オーナーのナナシーが待つ家へと向かう。

       それを見送ったアプリコットもまた同じように、家路へと着いたのだった。

       家に着いたら新しい友達が出来たと、大好きな姉とオーナーに報告することを思い描き、胸を踊らせながら……


       知らぬ間に雨は上がり、そんなアプリコットを祝うかのように、空には虹がかかっていた。


      -fin.

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