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- 2011/3/20 15:30
- ~STARDRIVER輝きのタクト~より
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- ・・・・・・「王様は最初から、呪いを解く青い血を持ってきた者に、その王位を譲るつもりだったのだ」
「けれどサムは、その申し出を断った。王様、僕はただ、あなたが持ってるという銀河の船が欲しいだけなんです」
「それに乗って、まばゆい銀河の世界に旅立ちたいのです。王位なんかいりません。国など欲しくはありません」
「王様は言った。よかろう、若者よ。望むものはなんでも与える約束だ。違えるつもりもない」
「ではあの銀河の船を譲ろう。だが若者よ、イカ刺しサムよ、心して聞くがいい」
「あの船を動かすには、おまえが恋する少女の赤い血を、一滴残らず、そのエンジンに注がねばならぬ」
「そう、恋する少女を殺さねばならぬ。そうしなければ動かない。さあ、もっていけ。あれはもうおまえのものだ」
「サムは少女を殺した」
「サムはまばゆい銀河の世界に旅立つため、少女の赤い血を、船のエンジンに注いだ」
「結局、サムが恋したのは、少女ではなく、銀河の世界への憧れだった」
「恋する少女は最初から、憧れの旅を飾る花でしかなかったのだ」
「船はサムを乗せ、銀河の世界へと飛び立つ。けれど、すぐにサムは気付いた」
「あれほど憧れた銀河の世界・・・・・」
「だがそれら星々のひとつひとつは、生まれ育ったあの魚の惑星と、どれほどの違いがあるのだろう」
「そうだ、考えてみれば、あの魚の惑星も同じ銀河の星のひとつ。銀河は遠い世界なんかではなかった」
「サムは最初から、そのまばゆい場所に住んでいたのだ。では、なんのために、サムは少女をその手にかけたのか・・・・・・」
「・・・・・・これは悲しい物語」
「・・・・・・おしまい」
- ・・・・・・「王様は最初から、呪いを解く青い血を持ってきた者に、その王位を譲るつもりだったのだ」