田中・三郎さんとモバ友になろう!
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- 2007/11/20 2:48
- 第弐.伍話『髪、抜けたらむこうに』 後編
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- 『…ここは…。』
2時間後、少年が目を醒ました。するとそこに少女が食事を運んで来た。
『本日12:30あの台風に打ち勝つ作戦が開始されるわ12:00までに集合だそうよ。』
少女は淡々と話しを進めた。
『また、あれを被って台風に向かって行かないといけないのか?』
少年は嫌そうに言う。
『嫌なの?』
『決まってるじゃないか!君はまだ<ヅラァ>を被って恥ずかしい思いをした事がないからわからないんだよ!』
少年は少女に言い放つ。
『じゃ私が出るからいいわ。寝てなさい。』
『え…』
少女は部屋を出ていった。
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時間になる…少年は嫌々ながら作戦に参加した。
カーテンで仕切られた更衣室で二人は着替えていた。
『今回で恥ずかしくて死んでしまうかもしれないね。』
少年は超ネガティブ思考で言った。というよりヅラがズレた恥ずかしい頭を見られても死ぬ事は無いと思うのだが…。
『大丈夫。あなたは死なないわ!私が被るもの…』
よく意味がわからないが頼もしい台詞を少女が言った。
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作戦開始を待つ間、二人は闇夜の下で話しをしていた。
『君は何で<ヅラァ>を被るの?』
少年はふと少女に聞いてみた。
『絆だから…』
少女はボソッと呟いた。
『絆?』
『そう絆…』
『父さんとの?』
『みんなとの…私には髪が無いもの…』
そういうと彼女は<ヅラァ>を取って見せた…。
彼女の頭はには見事に一本の毛も無かった。まるで闇夜に浮かぶ月の様で今宵は月が2つあるみたいだった。
『さよなら…』
少女は一言いうと持ち場に行った。
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作戦が開始された…が、やはり台風の勢いは強かった。
『うわぁぁぁぁぁ!』
少年が終わったと思った瞬間少年への風が和らいだ。少女が盾になっていたのだ…。
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台風が去っていった。少年は倒れる少女の所へ向かった。
『大丈夫か?』
少女を抱き抱えると少年は心配そうに問い掛けた。
『ん…』
少女が目を開けた…。
『髪が無いなんて悲しいこというなよ…さよならなんて言うなよ…』
少年は泣きながら言った。
『ごめんなさい…こんな時どうすればいいかわからないの…』
少女は困った顔で言った。
『…被ればいいと思うよ。』
少年は<ヅラァ>が完全に取れている少女に優しく言った。
次回
チャ-チャチャ-チャチャン♪
『次回は本当に第参話よん♪み~んなで読んでねん♪』
- 『…ここは…。』