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    • 2011/4/3 17:53
    • 「傷跡」外伝『薬の値段』⑥
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    • 家へ着くと、マリーシアはいつも通り迎えてくれた。

      マリーシア「おかえりなさい、ロレンス。…その瓶は…?それに、大事にしていたネクタイピンがありませんわ!今すぐ探しに…!」

      慌てるマリーシアを止め、ロレンスは口を開いた。

      ロレンス「これは、その首の傷跡を消す為の薬だ。ネクタイピンは、その代金として渡してきた。さぁ、マリーシア、これを飲んで…」

      マリーシア「そんな事の為に!!」

      マリーシアは今までに無い程の大声をあげた。

      マリーシア「あ…ごめんなさい、私…。でも、とても大切にしていた物なのに…貴方が働いて、働いて、初めて自分で買った、大事な…」

      ロレンス「私は君を守れなかった。その事実を、そのストールで傷跡ごと隠していたんだよ。そんな自分が許せなくて…だから、いいんだ。仕事用には、別の物を買うさ。」

      マリーシア「…では、そのお薬は飲む訳には参りません。」

      ロレンス「何故だ?これで君の首はまた綺麗に戻る。隠す事なんて、無くなるんだよ。」

      マリーシア「ロレンス、よく聞いて。貴方のその気持ちはとても嬉しい。…けれど、この傷跡が消えてしまえば、貴方が下さったストールの意味も、あの方達への感謝も、いずれ薄れていってしまう。それに、薬で綺麗にしても、『傷跡を隠す』事に変わりはありませんのよ。ですからこのお薬は…どうか佐助さんに。あの方の腕には、焼け爛れた酷い傷跡がありますの。」

      ロレンス「…そうか、そうだな。私は本当に馬鹿者だ。今度、二人で薬を渡しに行こう。『私から』の礼として。」

      マリーシア「うふふ、そうですわね。」









      数日後、薬の力により佐助の腕の傷跡は綺麗に消えた。
      満足そうに笑うロレンスのネクタイには、質素な銅のタイピンがついていた。

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