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    • 2011/4/3 17:27
    • 「傷跡」外伝『薬の値段』⑤
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    • 二日後、ロレンスは九尾の店へと足を運んだ。

      九尾「…おや、いらっしゃい。決めたのかね、どちらで薬を買うか。薬は用意してあるよ。」

      カウンター奥の棚から、薄緑色の水薬の入った瓶を取りだし、カウンターへと置いた。

      ロレンス「…あれから、色々考えていました。しかし、これは自分への罰であり、ケジメであり、新たな出発点でもあります。ですから、これを。」

      ロレンスはネクタイピンを外すと、ハンカチで丁寧に磨き直して薬の隣に置いた。

      九尾「…後で泣いても返しゃしないぞ。この薬の瓶を手にした瞬間、それはわしの物になる。目の前で砕かれても、他に売り払われても文句は言えんぞ。」

      ロレンス「…構いません。そのピンは今までの私の全て。それを、その薬で妻に全て注ぐ。そう決めたのです。」

      九尾「…成程、ねぇ。よかろう。持って行くがいい。確かに、お代は受け取ったよ。」

      九尾はタイピンを手にとると、まるで用意されていたかの様なタイピンケースに置くと、薬棚の横にある薬屋には似合わないアンティークが山程飾ってあるショウケースへ置いた。

      ロレンス「それは…?」

      九尾「『これ』と同じ、薬の代金の『覚悟』や『代償』達じゃよ。どれも一級品じゃ。」

      ロレンス「…良い御趣味で…」

      九尾「ははは、誉め言葉として受けておこうかね。」

      ロレンス「では、私はこれで…」

      九尾「飲み薬じゃ。塗るなよ。」

      ロレンスは頭を下げると店を後にした。強い夕風にネクタイが揺れる。
      どうにも居心地が悪く、猫の姿になり、瓶にご丁寧についていた紐をくわえて家へと帰った。

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