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- 2011/4/3 2:50
- 月夜の翼①
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- ころんは自分の店の屋根の上で、満月を見上げていた。
正反対の位置にいる太陽の光を反射して輝く月。星よりも大きな星。それが月。けれど、夜空の主役は、きっと他にいる。
無意識にころんは立ち上がり、月へと手を伸ばす。そこにあるのに、届かない。
黒羽「お嬢様!そんな所に…危険です、今そちらへ参りますからお座りになって…」
ころんは黒羽に気がつくと、黒羽がいる方へゆっくりと歩き出した。三角屋根のこの店の屋根で。
ころ「…黒羽、あたしも星になってみたい。小さくていい。特別じゃなくていい。輝いてみたいの。」
悲しそうに笑うと、体を重力に預けた。月明かりに照らされたころんの体が、頭からぐらりと揺れる。
黒羽「ッ…!!」
黒羽は翼を広げると、直ぐ様翔び上がりころんを抱き止めた。
黒羽「何て馬鹿な事を…!」
ころ「シンジテル、から。黒羽の事。」
ふわりと地面に降り立つ黒羽。ただ、ころんの体を抱く力は強まっていく。
- ころんは自分の店の屋根の上で、満月を見上げていた。