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- 2011/8/28 22:04
- こんな日記で大丈夫か?
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- その車に向かって真っ直ぐ歩く彼女を追いかける。
彼女は車の助手席に乗りすぐ窓を開け、こっちをむき「早く乗りなさい」と言って窓を閉めた。
やや早歩きで後部座席に乗り込んだ。
乗ってからすぐ車は動き座りながら体をよろめかせていると運転席から声をかけられる。
「すまないね、急に動かしてしまって」
優しそうな老人の声だ。その声は聞いた事のある声。
体を安定させ、老人に訊ねる。
「もしかして、昨日会いました?」
老人はとぼけた様にも何かを探るかの様にも聞こえる返事をした。「昨日とは、どの昨日かの」
自分は「昨日の5月6日です」とすぐに答えた。
だが、そのあとの応えは意外なものだった。
「ふむ、残念だが君と会ったという記憶は無いな」
「え?」不意をつかれた様に?を頭の上に出しながら表情は固まっていた。
「でも、そんなはず無い!」
混乱しながら叫ぶ様に言う。
「昨日会ったでしょ?良く見てよ、ねぇ!」
老人に手を伸ばした瞬間、助手席にいた彼女が手首掴み、そして、思い切り捻った。
「落ち着きなさい。」
そう言うと、手を離した。
そうだ、何をそんなにむきになっているんだ。
自分で自分に教える様に言う。
深く深呼吸をすると、彼女が「落ち着いた?」と訊いてきた。
「ああ、お陰様で」と返し、老人に訊く。
- その車に向かって真っ直ぐ歩く彼女を追いかける。