蓮野鶴羽さんとモバ友になろう!
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- 2014/10/3 1:27
- 駄文
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- 「──無様ね」
頭上から、冷たい声が降ってくる。
しかし、その声に応えることはできそうになかった。
身体中ボロボロ、四肢は一ミリと動かせない。地面に伏したまま、渇いた喉では言葉を発することすらできない。
──これはもう、完敗だ。
「身の程知らずもここまで来たら才能ね。ねえ、負け犬さん?」
嘲笑い、貶し、見下す。
力有る者、勝者の笑う声。
「無駄な足掻きご苦労様。これで判ったでしょう?」
──あなたじゃ、私には勝てないって。
その一言が、決定打だった。
「……上等…だ…クソが」
掠れた声が零れ出る。
軋む四肢を、痛みを堪えて必死に動かす。
よろめきながら、ふらつきながら。
それでも、決して闘志は絶やさない。
「散々見下しやがって。負け犬上等、無様なりに足掻いてやるよ」
「……滑稽ねぇ。鏡如何?どれだけみっともなくて無様かよく判るわよ?」
「お行儀の良い生き方なんてクソ喰らえ」
無様なのは判ってる。
ボロボロの身体、掠れた声、ぐらつく姿勢。
それでも、
「負け犬だからって、容易く牙が抜けると思うなよ」
──この心は、まだ折れてはいない。
- 「──無様ね」