干しわらびさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2011/2/14 23:13
- カカオ豆ェ…
-
- コメント(4)
- 閲覧(52)
-
-
- ――時計の針が19時を少し過ぎた頃
俺は自分の席を立った
俺『じゃ、お先失礼します』
上『はいよ、お疲れさま~』
自分の席からロッカーを経由して出口までの48歩
その間、周りを見渡すと人は疎ら
人の少なさからか――
はたまた別の理由か――
別に意識していた訳ではない
帰りが少し遅いのも仕事のせいだ
でも…
やっぱり、少しさびしいのが本当のところ
全く
どっかの司教が殺されたりしなければ、バレンタインなんて罪作りな日は出来なかったのに
そんなことを考えながら外を歩いていると、後頭部に冷たいものが当たる
『あはは、ヒットヒット!』
眉間にシワを作りながら振り返ると、そこには灯りに照らされ光るおデコ…
少女がいた
俺『んだよ、デ子来てたのか』
凸『まさか!たまたま通り掛かっただけ!』
そう言いながらの笑顔はどこかぎこちなく、体も小刻みに震えている
俺『…ったく、ほらっ』
凸『あ…』
無造作に少女にジャケットを被せると、着ていたコートと相まって、なんと可笑しな格好になった
凸『コートの上にジャケットって…おかしーし…』
頬を赤らめながら微笑む少女を見て、思わず顔をしぼめる俺
凸『っ…ていうか、このジャケット親父臭いぞ~!』
俺『それはあれだ…。大人の匂いだ』
凸『ふふっ、こんな親父臭い男はモテないぞ!』
俺『そんな…凸『だからさ!』
ふと言葉が遮られ、胸に何かが当たる
凸『…可哀想だからさ。アタシがチョコあげるよ。』
俺『…ありがとうな』
少女の冷たくなった髪に手を当て、そっと抱き寄せる
俺『こんなに冷えるまで待っててくれたんだな…』
凸『…寒かったんだからね』
俺『まぁ、風邪引いたら愛情持って看病してやるからよ』
凸『ふふっ…。あー、もう!親父臭いっ!』
俺『うるせぇ、これはあれだ!お前以外の女を寄せ付けないための――――――
…ガクンッ
気づくと俺は自分の車の車内にいた
重低音を響かせるエンジンとスピーカーから流れるドラムのおとが心地良い
俺『…夢か』
どうやらエンジンを暖めている間に眠っていたらしい
窓を開け、冷たい外気で頭を覚ますと、俺は車を走らせた
そうして、推力を得た車は夜の闇の中へと消えていった
さながら、チョコレートを思わせるような闇の中へ―――
誰かチョコプリィィィズ!!!
- ――時計の針が19時を少し過ぎた頃