ホスト▼さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
-
- 2007/4/20 1:17
- 水曜日のクルト【6】
-
- コメント(1)
- 閲覧(29)
-
-
- 『君が水曜日に産まれたからさ。』
『僕が水曜日に…?』
『そうさ。覚えてないの?35年と3ヶ月前の今日に産まれたじゃないか。』
僕は少し考えた。
(自分の産まれた曜日は覚えてないけど、今日は確かに水曜日。そういえばベレーや傘がなくなったのも…。)
そう考えていると、
『僕は水曜日のクルトだから水曜日に散歩するんだ。』
と、クルトが先に答えを言ってしまった。
『そ、そうかい。散歩をしてイタズラもするんだね?』
『そうだよ』
クルトは嬉しそうに笑った。そして僕は大切な事を思い出した。
『そうだ!パイプだ!ねぇ、クルト。傘やベレーはいいけど、あのパイプは編集長から貰った大切な物なんだ。あれだけは返してくれないかな?』
『これのことかい?』
クルトはオーバーのポケットから僕のパイプを出して見せた。
『そう!それだよっ!それがないと落ち着かないんだ。返してくれるよね?』
僕がそう言うとクルトの目が嫌な感じに光った。
(しまったぁ!)
僕は心の中で叫んだ。イタズラ好きの男の子に懇願したら火に油を注ぐようなものだ!
『そんなに大切なら、取り返してみなよ?』
そう言うとクルトの体がフワリと浮いた。
『お、おい!クルトッ!』僕はあわてて飛んで行こうとするクルトのオーバーの裾を掴んだ。すると…。
[続く]
更新遅くなってごめんなさぁい
- 『君が水曜日に産まれたからさ。』