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- 2007/6/28 6:22
- 水曜日のクルト【7】
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- 僕は慌ててオーバーの裾を掴んだ!すると…。
なんと僕の体もふわりと浮かんだんだ!
僕は怖くて目をギュッとつむっていた。するとクルトが
『そんなに怖がることはないよ。目を開けてごらん。』
と言った。僕は恐る恐る目を開けた。
『わぁ~っ』
とてもいい眺めだった。街が模型の様に見える。
『こんなに高い所から街を見るなんて初めてだ!クルト、ありがとう!』
『へへっ!』
クルトは自慢気に笑っていた。
『でも、クルト。僕が掴まっていて、重くないかい?』
『平気さ!この前なんて象を飛ばせたんだよ!』
『へぇ~!そいつは凄いや!』
僕とクルトはしばらくの間空の散歩を楽しんだ。
雲の中に突っ込み、雲の上に出たその時、クルトが叫んだ。
『しまった!』
『どうしたんだい?』
僕はクルトに聞いた。
『散歩に夢中になって、気が付かなかったんだ。』
『何にだい?』
『吹雪さっ!すぐそこまで来ているんだ!』
クルトが見ている方と同じ方を見ると、大きな吹雪雲が近付いて来ていた。
『逃げようっ!君があの中に巻き込まれたらすぐにカチンコチンになっちゃうよっ!それに僕も吹雪の中じゃ上手く飛べないからね!』
クルトはそう言うと、速度を上げた。しかし、吹雪雲の方が速かった。僕達二人はすぐに吹雪雲に取り込まれてしまった!
雲の中はとてもじゃないが寒いっ!
『こうなったら仕方がない!手を離すんだ!』
クルトが言った。
『えぇっ!?そんなことをしたら、僕は地面にまっさかさまじゃないかっ!』
僕は言った。しかし、クルトは
『君は長い時間僕に掴まっていたからね。少しの間は浮いていられるんだ。だからゆっくりと降りられるんだよ。』
と言った。
『そうなのかい…?』
僕はゆっくりと手を離した。
体は浮いている。しかし、少しずつではあるが落ちていっている。これなら大丈夫そうだ。
『クルト!ありがとう!楽しかったよ!』
するとクルトはにんまり笑って
『何か大事なことを忘れてないかい?』
『なんのことだい?』
僕が聞くとクルトはポケットからあるものを取り出した
『これだよ!これ!』
『あっ!』
クルトが取り出したのは、僕のパイプだった!空の散歩が出来たことと吹雪のことで、すっかり忘れていた。しかし、僕の体はどんどん落ちているから、クルトと離れていたんだ。
『クルトッ!それをこっちに投げてくれ!』
クルトはにんまりと笑って、
『わかったっ!いくよっ!』
ポーイッ!!
[続く]
- 僕は慌ててオーバーの裾を掴んだ!すると…。