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    • 2011/3/31 23:25
    • 八尺様5
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      下に降りると、親父も来ていた。じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、どこから持ってきたのか、ワンボックスのバンが一台あった。そして、庭に何人かの男たちがいた。

      ワンボックスには九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが乗り、庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。

      「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目も閉じて下を向いてろ。俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
      いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」
      右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。

      そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。

      間もなくKさんが、「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。

      「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」

      またあの声が聞こえてきた。
      Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに下を向いていたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。

      目に入ったのはワンピース。それが車に合わせ移動していた。
      あの大股で付いてきているのか。頭はウインドウの外にあって見えない。しかし、車内を覗き込もうとしたのか、頭を下げる仕草を始めた。
      無意識に「ヒッ」と声を出す。
      「見るな」と隣が声を荒げる。
      慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。

      コツ、コツ、コツ
      ガラスを叩く音が始まる。
      周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
      アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
      Kさんの念仏に力が入る。

      やがて、声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあげた。
      それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。

      やがて車は道の広い所で止まり、親父の車に移された。
      無意識にまた握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。

      Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」と新しいお札をくれた。

      続く

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