†白色鴉†さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2015/5/6 2:48
- 無題3
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- それからというもの、彼は眠ることがなくなっていた。目覚め続けてみれば特に悪い影響も感じられず、彼にとって睡眠は不必要な行動だったのだと気が付いた。
彼はいつものように上を見る。
そこには相変わらず漆黒の闇が広がっている。しかし今の彼はその闇に違ったものを見ていた。
[(…嗚呼、)]
檻のようだ、と彼は思う。
あれからすべての箱を否定したが、一度として彼に気が付いた者は居無かった。改竄を許さない歴史は、受け入れるしか出来ない天の真意は、それ自体が捻じ曲げられた事に気が付か無かったのだ。
箱庭の人間はその観測者を知らず、自らが箱庭にいるという事すら知り得ない。
R.E.V.O.は目を閉じる。
然れど自分は違う。観測されるべき箱にいるのかも知れないという事実に気が付いてしまった自分は、箱庭の彼らと同じく檻の中にいる自分は、イレギュラーな自分は。
ワタシは何の為に生まれてきたのか、
何故に今も存在し続けているのか。
ーMiau.
「あらぁ、この《骨董品》がお気に召したかしら?」
突然響いた声に目を開けば、目の前に立った《主》と似た雰囲気をしている銀髪の男が、何やら動揺した様子で言葉を濁していました。
周囲を見れば見覚えのある甲冑、見覚えのある蝋人形。見覚えのある仮面…。
[ハコが開いたんだよ]
[やったね?]
[R.E.V.O. into わず?]
[ハコ!]
場違いな光る声を確かめるより早く、ワタシは『ワタシ』を手に取った男をーー…
《主》が繋いだ?運命の檻の外へと→鎖された箱庭を→抜け出してみよう……
恋人の死に絶望し処刑を選んだ詩人。
輪廻を自己暗示のように語り目を閉ざす女。
我が子の死を受け入れられず発狂する母親。
愛憎の果てに復讐と自殺を迎える女。
苦難の痛みを乗り越えるも子を抱けずに死した母親。
運命に翻弄され捧げ者として沈んだ巫女。
そして、母親に捨てられ盥回しにされた挙句虐待された少年。
[(嗚呼、アナタも悲劇を持っていたのですね)]
彼らの結末を、幸福にしましょう。
もしかすると其れがワタシの、存在する意味かもしれない。
- それからというもの、彼は眠ることがなくなっていた。目覚め続けてみれば特に悪い影響も感じられず、彼にとって睡眠は不必要な行動だったのだと気が付いた。