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    • 2009/11/26 15:39
    • 幻影
    • コメント(2)
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    • 旅をしている、もしくはしていた
      そこは焼けつく砂漠か凍てつく永久凍土か
      旅人は乾きに乾いた地に疲れ果てていた
      乾燥した唇を舐めて潤す元気もないほど
      そこは不毛の地であって、春の明るさも秋の安らかさもなく、楽園やオアシスなどはどこにもない

      ただただ一人歩けども歩けども変わらない一色の世界をさ迷ってただただ静かに眠れる場所を探した
      四六時中旅人には乾きと餓えそして空虚感が襲う
      旅人はそれらを自分の血肉を喰らうことで解消していた
      そのため腕は噛み千切った肉の痕として赤いケロイドが皮膚の代わりに覆っていた
      砂上にはサボテンはなく、凍土には苔すら生えることはない
      そんな大地をただただ自分を喰らいながらずっと歩いてきた
      そんな中、一本の向日葵に出会った
      向日葵はただただ高く咲いていた
      旅人はそれをみてオアシスを、楽園を見いだしたと思った
      向日葵はただただ高く咲いていた
      砂漠であり、永久凍土であるこの地に咲いている向日葵は旅人を癒やし慈しんでくれると旅人は思い込んだ
      旅人はそれから向日葵から離れなかった、愛し愛されると錯覚していたのだ
      旅人は向日葵が枯れぬようなけなしの水分を与え、日差しが強い時には影になり、吹雪の日には盾になった
      しかし最初こそ嬉しそうにしているように見えたが、向日葵は日毎に厭うようになっていた
      旅人が愛するほどに向日葵は疎う
      旅人は不安になった
      向日葵から愛されているのは、いや向日葵さえも幻影ではないかと
      旅人は向日葵に触れてみた
      それはただただ砂と氷だけの大地が横たわっていただけだった
      旅人は愛されることはないのかと嘆き、向日葵の幻影に思いを馳せ瞼を閉じた

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