ペゴパさんとモバ友になろう!
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- 2011/8/8 8:11
- 妖怪取締事務局・帰郷編⑯
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妄想小説注意
「あら!あなたさっき駅で会った…」
「ジェジュンです。突然お邪魔してすみません。」
「あらあら!良いのよ、ユノのバイト先のお友達なんですってね?本当にいつも息子がお世話になって!」
「いえいえ!ユノ君は働き者だし、彼のお陰で職場も賑やかになって…此方が感謝したい位ですよ。」
「まあまあ!そうなの~」
母がジェジュンに気を取られてる内に、炬燵の傍にしゃがみこむ。
「…お前らいつ来たんだ?」
「ユノさんとの電話を切ってすぐですよ。お宅に上がり込むつもりは無かったんですが、お母様が玄関先の雪掻きを一人でしらして―。お手伝いした処、温かなおうどんを是非と…。」
成る程…そう言う事か。
漸く事の経緯を知って納得していると、ジェジュンと会話を終えた母に呼ばれた。
「ユノもジェジュン君も、二人共着替えてらっしゃい。その間に温かいうどん作っとくから!」
「ああ、そうするよ。ジェジュンこっち。」
申し訳なさそうに母に礼を言うジェジュンを連れて、俺達は賑やかな居間を後にした。
「ジェジュン、取り敢えずこれ着て。」
「ありがとう。濡れた服どうしょう…ハンガーか何かある?」
「いや…、ストーブで乾かすから貸して。」
部屋着に着替え終えた俺は、ジェジュンにグレーのトレーナーとジーパンを手渡し、濡れた服を受け取った。
この程度なら居間のストーブの前に置いておけば、帰る頃には乾くだろう。
「あ~腹減ったな!ジェジュンも昼飯はまだだろ?」
「うん!ユノのおふくろさんの料理楽しみだな。」
冷えた廊下へと出て、居間に向かって進む。
「俺の家のうどんは鰹出汁じゃなくて、昆布出汁なんだ。ジェジュンは食った事ある?…って、ジェジュン?」
ギッギッと廊下の床板が軋む音が一人分減った。
不思議に思って振り返ると、ジェジュンがある部屋の前で足を止めていた。
(…ああ、あの部屋は。)
俺はジェジュンの隣まで引き返し、彼の手を握る。
部屋の奥を透かし見る様にじっと見詰めていたジェジュンが、俺を見上げた。
「ユノ…」
問い掛ける様な声の響きに、俺は微笑みながら軽く頷いた。
「ジェジュン、じいさんに線香上げてやってよ。きっと喜ぶ…。」
俺の言葉に小さく笑うと、ジェジュンは返事の代わりに繋いだ手を軽く握り返した。