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- 2011/8/6 1:57
- 妖怪取締事務局・帰郷編⑭
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妄想小説です。
苦手な方は回れ右妖怪取締事務局・帰郷編⑭
「―そろそろ戻るか?大分冷えたろ?」
「ん…。」
小さく頷いたジェジュンの手を握り、祖父の名が刻まれた墓を見下ろす。
「ジェジュン。」
「ん?」
「家に来いよ、母さん達も喜ぶだろうし…きっとじいさんも喜ぶから。」
「…そう思う?」
「ああ、勿論。」
ジェジュンが言ったような力が…本当に俺にあるのかは分からないけれど―。
(じいさんは…死んだ後、ジェジュンの事を思い出したんじゃないかな。)
じいさんの事に関してだけは、何故か確信を持ってそう言えた。
『出会うべくして出会ったんだな…お前と、彼は。』
一度夢の中でじいさんと話した時の事が、ふと頭を過る。
(自分を想ってくれる彼を大切にしろ…とも言われたよな。)
長い睫毛を伏せて、白い息を吐くジェジュンを見詰める。
初めて公園で声を掛けられた時は、その容姿や言動の突飛さに大分驚かされたけど。
「―なあ、ユノ。ユチョン達も呼んで良い?俺だけユノの家に行ったって知ったら煩そう。」
「お?おお、そうだな。」
しみじみと昔を懐かしんでいた俺は、ジェジュンの言葉に我に帰ると、ポケットから携帯を取り出す。
その横で、ジェジュンは再びじいさんの写真を見下ろした。
「…ユンホのお墓参りに来れて良かった。本当はずっと来たかったんだけど―、」
「ジェジュン?」
しんみりとしたジェジュンの口調に、携帯を操作していた手を止める。
「俺、小心者だから。今回ユノに二十回忌の話を聞かなかったら…きっとず~っと来れなかったと思う。」
写真から俺へと視線を移しながら、ジェジュンがはにかむ様に微笑んだ。
「ありがとな、ユノ!」
目の前で明るく微笑む彼からは、里から帰って以来見せていた―、迷いや後悔みたいな暗い表情は見て取れない。
(やっぱり…ジェジュンは笑顔が一番だ。)
久しぶりに見た彼の本当の笑顔に、心中でほっと息を吐く。