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    • 2014/6/2 7:20
    • メタボリカの15 一会[北畠先生⑨]
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    • ♪春なの~に~ お別~れですか~ 春なの~に~ 涙~がこぼれます~♪


      月日は過ぎ、私たちも信玄中を卒業する日が来ました。


      禅寺で強制的に修行していた4人も無事に帰ってきて、全員で卒業式を迎えられることになりました。

      しかしテレビドラマのように感動するシーンなどは当然なく、私の中ではただ淡々と過ぎていく時間でしかありませんでした。


      教室に戻ると幾人かの女子は泣いていましたが、私はたいした感慨もなく卒業証書を受け取り、教室を後にしました。

      ほとんどが市内の高校に進学しますし、住まいも近いわけですからね。


      ───
      それでも生徒玄関を出たところで後輩たちのブラスバンドが私たちを送ってくれるのを聞くと、やはり少し寂しさを感じました。


      しばらく校門をくぐらず校舎を眺めていると、職員玄関から先生方が出てきました。


      ───
      「北畠先生」

      「おう、メタボリカ」

      「え…先生…名前!?…先生俺の名前知ってたんですか?」

      「当たり前だろ。知らなかったら成績もつけれんだろが」

      それもそうです。

      2年間、副担人だった先生が名前を知っていることに驚くのもおかしな話ですが。

      とにかく名前を呼ばれたのは、その卒業式の日が初めてだったのです。

      「先生、こないだ放送会館で『愛と青春の旅立ち』観てましたよね。一緒にいたのは奥さんですか?きれいな方ですね」

      「ん?…あ、ああ…。そ、そうだ。お前も観たのか」

      「奥さんと映画はよく行くんですか?仲いいですね」

      「うむ…ま、まあな」

      やった!初めて先生をたじろがせられました!

      「そういえばメタボリカは朗読を家でしっかり30回やってきてたな。高校でもちゃんとやれよ」

      そうです。私は、朗読だけは真面目にやっていたのです。

      「先生分かってたんですか?」

      「そんなもん聴けば分かるに決まっとるだろう」

      「…」

      ちくしょう。目頭が熱くなってきました。

      やっと一矢報いたと思ったら、返す刀でぶった切られた。

      やっぱり北畠先生には最後までかないませんでした。



      キーン、コーン、カーン、コーン


      「先生、お元気で。ありがとうございました」




      北畠先生編 -終わり-

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