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- 2014/3/1 7:22
- ケチャップのかかったラグビーボール
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- 社会人一年目の夏
新しい現場はゴルフ場の試験グリーンでした。
当時はデベロッパーたちの鼻息も荒く、雨後の筍のようにポコポコとゴルフ場が作られていた、そんな時代。
また、グリーンの芝の種類が、高麗から高品質のベントに切り替わりつつある時期でもありました。
ベントは非常に細く柔らかく、高密度に植えて低く刈ることができるため、速いグリーンにすることができるのですが、同時に生育環境を作るのにデリケートさが求められます。
手探り状態だったグリーンの土づくりにいろいろな工法を試し、決定する。
そのための試験グリーンの造成と管理を請け負っていたのです。
「ベントは難しいね」
これが当時のグリーンキーパーたちが口を揃えて言っていた言葉です。
───
「おーい、メシにするぞ」
班長のヤッさんが言いました。
「ザワとミッくんはいつもの喫茶店だろ。俺ら『みのや』行ってくるわ」
ザワは現場監督、ミッくんは重機のオペレーター。
この二人で大まかな造成はできており、人力作業が始まったところで私を含むヤッさんの班が投入されたのです。
慣れない力仕事に体はしんどいですが、面白い人ばかりでしたので会話も弾み楽しい毎日でした。
そうそう、以前の日記に登場した無鉄砲男サダムもここで知り合ったのです。
───
ヤッさんが連れていってくれたのは、現場から10分ほど離れた『みのや食堂』という店でした。
「さすがヤッさん、渋い店知ってますね」
店に入り、席につくと
「おお!割り箸が噴水のようだ!」
「ヤッさん何します?」
「親子丼。ご飯少な目で」
「俺カツ丼。大盛でね」
サダムはカレー丼の大盛、バタやんはざるそばとオムライス。
「おい、二つも大丈夫か?」
「ヤッさん、俺いつも二品ですよ。人一倍働いとるでね。あ、おばちゃん、オムライス大盛りにして」
───
「お待ちどう」
「………」
「スゲぇな…」
「枕か?これ」
「バタやん、残すなよ」
───
「フー!食った食ったー!食いきったぞー!」
「バタやん、よく見てみ」
ざるそばの1段目と2段目の間から、ちょろっとそばが顔を出しています。
「マジ!? 2段目あんの!? おばちゃん、ゴメンもう無理。持って帰れる?」
「ざるそばをかい? 弁当は難しいね~」
- 社会人一年目の夏