†克幸†さんとモバ友になろう!
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- 2012/2/9 6:08
- 慈しみのtwilight
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- 俺は知らない荒野にいた…
もう日が沈む頃…
辺りには男共が20人くらいで何か作業している
気合いが入っている
山積みされた木の棒、槍、剣のような武器…
「急げー!!」
「早く運べー!!」
平地に木の杭を打っている
「何してるんすか??」と男の一人に尋ねると、
「魔物が来るから塀作ってんだよ…」と
正直、「え!?まじ!?」と思ったが、
塀ができてきた頃、塀の近くに黒髪でショートヘア、背が小さく華奢な体型のかわいらしい女の子がいるのに気づいた
何やら杭を2本立てた上に木の板を乗せてテーブルみたいなものを作っていた
「何してるの??」と聞くと
「魔物が来て殺されるからそしたらここに私の頭置いてちょうだい」
塀の反対側は夕日が綺麗だ
少女は死ぬことがわかっているのだろうか
なのにどうして優しい表情で笑っていられるのかが不思議だった
「じゃあ魔物やっつけたらいいんだな」と言うと
「うん、死んだら頭乗っけてな、約束だよ」と少女はにっこりしながら言った
これから起きる現実をこの少女はわかっているのを俺は確信した
なのにどうして笑っていられるのか
辛くないのか
凄く可哀相に思えてきて、俺は涙が勝手に出てきた、そして思いきり抱きしめた
「じゃあやられる前にみんなぶっ飛ばせばいいんだな」と言うと間もなく
魔物が攻めてきた
30体くらいはいる
大きいのも小さいのも
塀はあっけなく壊された
俺は武器がないので素手で戦うしかない
俺には5体ほど一気にきた
少し時間がかかった
とりあえず向かってきた敵はみんなぶっ飛ばした
雑魚を倒した後、助太刀して倒すと
戦いは終わっていた
男は3人しか残っていなかったが、どうやら勝ったらしい
だが、しかし………
少女は首を斬られていた
男がその頭を持っていた
「可哀相に…」と男
「俺によこしてくれ」と言って受け取った
俺はその瞬間泣いた
そして約束した通りに壊された台を直して頭を置いた
俺は涙が止まらなかった
「ごめんな」と声にならないけど言った
すると少女の目がゆっくりと半分開いた
俺を見て「あ、り、が、と、う」
口元でそう言いたいのがわかった
こんなになっても優しい表情だ
俺は少女の頭を撫でた
少女の目が閉じるのを見て、俺はその場を後にした
涙で前が見えない
「さよなら………、」
とても強い女の子だった…
- 俺は知らない荒野にいた…