お米粒さんとモバ友になろう!
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- 2010/6/29 15:23
- サラッサラ~のサラサーティ♪ (5)
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目の前の空間が歪んで行く…
自分の居る世界が、まるで硝子細工の様に、音を立てて崩れ去って行く様な感覚に襲われた…
あれから3年…
連絡が途絶えてから3年だぞ…
墓参りにも行った…
もう…二度と会えないと…
気持ちも伝えられないと…
諦めていた…
それなのに…
今…
今…なんて…?
『今なんて言ったんだぁ!』
ガタン!
『ちょっと!あんた何してるの!やめなさい!』
『落ち着くおw!』
気が付くと、俺は関根クンと山本山に、羽交い締めにされていた
目の前には、俺の両手で首を絞められ、苦しそうな表情を浮かべている真冬の姿があった
慌てて両手を離すと、真冬は苦しそうに、何度も咳き込んだ
『大丈夫?』
早苗が、真冬に駆け寄り、水の入ったグラスを手渡した
『す…すまなかった…』
俺がそう言うと、真冬は俺を手で制した
『ゴホッ…ゴホッ…いや…私の方こそ…唐突に…すまなかった』
真冬は、席に座り直し、俺を見据えて言った
『ゴホッ…正確に言うと、姉はまだ生きている可能性が高いと思う…』
『どう言う事?』
山本山が問い掛けた
真冬は、グラスの水を一気に飲み干し、答えた
『私達の村…大神村には犬神と言うのが、祀られている。そして…その犬神に身を捧げる、生け贄の風習がある』
犬神については…さっき又三郎聞いた…
生け贄…
何度聞いても胸くそ悪い言葉だ
真冬はグラスに水を注ぐと…話を続けた
『犬神の呪いを受け犬神憑きとなった姉は、村へと戻り…天狗となった』
『……天狗……』
早苗が、小さな声で呟いた
真冬は一度、テーブルに視線を落とすと、再び顔を上げて、言った
『何故…姉は死ななければならなかったのか…その全てを…これから話す』