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    • 2010/8/21 10:38
    • 夜2
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    • LILIに入ると目のでかい店長と、ジントニックしかつくれないバーテンの女がいた。
      金曜の夜なのに客はほとんど入っていなかった。

      (中略)

      私はそのバーテンの女に、
      「シンガポール・スリング」を注文した。
      ジントニックしか作っていた所を見ていなかったので、ある意味意地悪をこめて注文したのだ。
      彼女は慌てて店長に囁いた
      「どうやって作ればよいんですか?」
      そんな彼女に店長はレシピを渡し、カウンターにジンとレモンとストロベリーシロップを置いた。
      彼女は慣れない手つきでメジャーに規定量注ぎ、不器用にグラスへと注ぐ。
      しばらくすると、何の愛情も篭らない1杯のシンガポール・スリングが完成した。

      (中略)

      バーテンの女は
      「そういえば葉巻の話しましたよね?」
      といい、店の奥から4本の葉巻を持ってきた。
      昨夜した葉巻の話を覚えていたらしく、出勤途中のコンビニで手に入れてきたらしい。
      彼女は1本ずつ説明を加えた後、「どれが吸いたいの」という風にこちらを眺めている。
      私は困った。
      冗談半分で、シンガポール チャンギ空港で買った葉巻の話を少し知った顔をした風に話していたのだ。
      彼女にしては童顔の27歳に見えない、しかもどうみても船乗りには見えない男が葉巻を語ったのが相当印象に残ったのだろう。
      しかし、私は吸い方も知らないのだ。

      仕方なく私はタバコを吸うような素振りで葉巻に火をつけてもらい、2~3回くゆらせてアッシュトレイに置いた。葉巻は直ぐに火が消えた。

      「やっぱり知らなかったんだ」
      と彼女は私に言い放ち、「チキン」と呟いた。


      どうも分が悪い。
      ここは退散だ。慌てて会計を済ませ、バーを出る。すると彼女もついてきて、バーのある雑居ビルの1階まで私の後ろをついてきた。そして、別れ際に無言で2本の葉巻を私に手渡し、小悪魔のように微笑んでいた。

      (中略)

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