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- 2019/8/10 0:12
- ロード オブ フール第二部④-2
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- ④-2「皮肉屋で」
「さよなら」
決断は一言。鼻白む上司を横目に、元同僚の唖然の表情を一瞥し、踵を返し去ろうとした。
流石に止められ、止まらない訳にもいかず…。
容易だった。
労いの言葉と、激励の言葉を掛ける事。上っ面の言葉を並べる事。
易きに流れない方がよっぽど、キツイ。
意図を理解していない上司は、引き留めが意に反した結果になると気付けない。
彼は決断した。辞めるという事を。
再度の上司仲介後に元同僚が、療養という言葉を口にした瞬間、堰を切った。
彼が決断した様に、俺も決断した。
取り繕うつもりは、一切ない。
二人が望んでいない言葉を並べ別れた。
後に上司と喫煙所で鉢合わせとなり、叱責を受けた。
最後ぐらいと…。曖昧に答えて謝罪。
最後だから、とは口に出さない。
その優しさは、優しさになり得るのか?恐らく毒にも薬にもならない。
しかして、相手の非を並べた糾弾が、優しさにもなりえはしない。
恨まれようが、憎まれようが、叱責を受けようが、構わなかった。何なら一発ならば、甘んじて受けて良かった。
その先はやり返すが。
彼に一石を投じる事が、出来た可能性があれば十分。
喫煙所を出る。
遠い昔。
十数年という月日がたっても、未だにあの涙を忘れられない。あの時胸に広がった感情と温もりを。
まっ、あんな風には出来ないわな、と頭を掻く。
前を向く。終わった事に思いを馳せても、仕方がない。目下問題だらけ。
謝らなければならない人がいる。
謝って済まされるものでもなく、謝る事自体、筋が違う気もする。
いよいよ不退転。色々あり過ぎるが、腐る訳にもいかない。全く持って「黒猫」だ。
…
「オもシロくない」訳なのだから、苦笑にすらならない。
ゆとりがね~なぁ~。
大きくオーバーに伸びをして。
演目を演じて、配役に準じて。
どんな出来事が次は起きるでしょう?自身を俯瞰に見た言い方で。
天の邪鬼であり、皮肉屋だ。
オフィスに戻る、エレベーター。独り密室はさらりと去来した過去を、もう少し。
(壁を乗り越えられる人にしか、神様は試練を与えないよ)
過去の言葉に今更、返答した。
そう願いたいよ。本当に…。
口の端だけは、意地で吊り上げた。
…時を同じく…
過去に呼び出しを受けた事は度々あったが、専ら男。
呼び出しには応じます。また鼻折りたくないので。
予想外、想定外はつきもので。
まさか、この歳で呼び出しを受けるとは…。
あとがき
正に反抗期!!
- ④-2「皮肉屋で」