葛葉雷憧さんとモバ友になろう!
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- 2010/3/3 1:56
- 海原の采女
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- かそけき思いは
緩やかに弧を描いて
泡沫の悲傷は雨に時雨れる
可塑けき惡喪いは
雲泥に孤を捉え
供物の卑称に天はうなだれる
ただ一期の逢瀬に
在りし日のまほろばを
ただ一会の逢瀬と
来し方を悔いる
そのまま総て忘却の籠に込め
大海へと致る川面に浮かべて
あのまま総て華客の加護に留め
激しく波打つ嵐の海へ放つ
凪を忘れた海神は
恩を忘れた常世に
灰燼を齎す使いを放つ
其れは波のまにまに浮かぶ怨
悔いたるは既に遅き過ち
光明は届かぬを知る乙女の祈り
いつまで時を廻せばいいの
湛えた水面に脚を踏み入れ
このまま身を流せば総て
終わり途切れ消える泡沫の慕情
乙女の下る川に繋がる
大海にたぎる海神は
その無垢なる願いを去私なる思いを
抱き抱え静かに再び凪に眠る
冷たき躯は朽ちず海に還る
深海に咲き乱れる菊の華
順化に届かぬ波の嘆き
加羅に眠る詮無き呟
泡に浮き空に跳ね
永久に千世に無
何れ儚きが夢
采女は手を
虚空へと
翳すが
終焉
憐
- かそけき思いは