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    • 2010/5/25 22:11
    • 僕の小さな星 2中編(ヒバフゥ)
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    • フゥ太はとにかく雲雀に置いていかれないよう、

      怪我した足に気にかけずに歩幅を最大限に大きくして歩いていた。

      雲雀と話したことなんてフゥ太は一度もなかったが、聞いていたよりも、むしろそんな話はまったく嘘なのではないか。

      と思うぐらいに雲雀の出す、オーラのような何かは、威圧感があれどとても優しく暖かいものだった。

      強いていえば何かを必死になだめ、あやしているような・・・。

      自分が追われるのは宿命なのだ、ということは幼い頃、

      物心がついた頃にはとうに理解していた。

      もう今となっては、追われること。に対して何も感じられなくなるほどには、

      フゥ太は「追われること」に慣れてしまっていた。

      それでもときどき心身を襲う、足の竦むような恐怖感は拭えないでいたのだが。

      いつの間にか歩く速度が遅くなっていたらしい、フゥ太と雲雀の間には何メートルもの距離が生まれていた。

      速く、速く歩かなくては、と思いフゥ太は走り出そうとした。

      でも実際、走り出すことはなかった。

      フゥ太は走り出す前に、雲雀が自ら自分のもとに戻ってきたからだ。


      「はやく。行くよ」


      手に暖かい感触。
      フゥ太は数秒のときをへて、やっと今の状況を理解した。


      自分の手をつかんで雲雀が自分を引っ張っている。

      手自体はとても冷たいけれどやっぱり暖かくて、

      フゥ太はあまりにも自分が想像していた雲雀と本物の雲雀が違っていて内心はずかしいぐらいだった。

      手をとられて、ひっぱられて、安心している自分がいる。

      それでも、


      ―今回は逃げられたけれども、また、違う人に追われて、


                追われて、いつかはつかまってしまうんじゃないか。


      という根本的な不安は心を侵食したままだった。

      そして、今、僕の手を握るこの人。

      今まではてっきり追う人、なんだと思っていた。
      否、実際今もそう思っているはず、だ。

      でもこの人は、きっと人に合わせて歩くという行為に慣れていないのだろう、どこかおぼつかない足取りで歩くこの人は、どちらかというと、

      追われる人、の方がピンとくるような気がするんだ。


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