青色サヴァンさんとモバ友になろう!
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- 2012/2/10 21:07
- 恥の多い人生をおくってきました。
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- 秋の夜長と申しましょうか
夜空にぽっかりと空いた穴のような月を、鈴虫の音が飾る、騒がしくも穏やかな夜に
来客があるようになりました。
夜も更けた頃にそっと現れては、未明にはすっと消えている。
そんな不思議な来客は、更に不思議な事に何も語らずただただ其所にあるだけでした。
ただ其所にある。
それは何だか迚恐ろしく思えました。
鳴り止まぬ鈴虫が夜を連れてきたようにすら感じ、高々と昇る月すら恨めしく思う程でした。
穏やかだった夜が遂に牙を向いたのだ。
そう思うと何だか迚哀しい気持ちを覚え、遂にこの身も終るのだと何処か諦めにも近い感情で我が身を見ると、人とは違うその動かぬ身体を、卑しくも分厚い布団で隠しているかのようで情けなさを覚えました。
無言の夜をいくつ共に過ごしたかもわかりません。
そんな折に何の気紛れかぽつりと言葉を紡いでみると堰を切ったように言葉が溢れだし、つらつらと言わなければ良いような事まで溢していました。
しまった。
そう思う頃には長々と言葉を垂れ流した後で、既に空は東雲
それでも来客は来る事を止めませんでした。
そしてあれ以来殆んど言葉を紡ぐ事もなく、また共に夜を過ごしていましたが、いつの間にやらその来客を受け入れ、待ちわびている事に気が付きました。
不可思議な来客は相も変わらず何も語らずただただ其所にあるだけであり、不思議で恐ろしい存在でしたが、それと同時にただ其所に居て欲しいとも思うようになっていたのです。
その夜も相も変わらず綺麗な月が夜空にぽっかりと穴を空けたように昇る頃
来客はいつも通り障子越しに座り、そっと影で私の部屋を彩りました。
そろそろ寒くなってきたので鈴虫は静かになったと思ったが
「今日はやけに鈴虫の音が大きい」
「 」
初めて来客が紡いだ言葉は
夜空に舞い始めた雪に溶け
私には届かぬまま
私は目を閉じた。
+*+*+*+*+*+
今日のは御風呂上がりに逆上せて鈴虫の音のような音が大音量で聞こえて思い出した多分アニメか何かの死ぬ直前の台詞「今日はやけに鈴虫の音が大きい」とかそんな感じの言葉から発想を得てタイトル通り人間失格の雰囲気をイメージしてアニメ版で声を当てていた堺雅人さんの声で妄想で再生して調えたり膨らませたりして出来ました。
意味は特にありません。
思い付いて書き始め気付いた頃には文字数制限
- 秋の夜長と申しましょうか