向日葵さんとモバ友になろう!
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- 2009/12/31 18:58
- 『それは』その3
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- 目前にある巨岩の奥
そこに『それは』あった
どす黒く、水分のない乾き切った表皮に
ゴツゴツとした骨が見てうかがえる
その表層部の脂肪層もが所々で腐敗が進行し、腹部の表皮は剥がれ落ち
内臓が飛び出しており
辺り一面には死臭が立ちこめている
周辺の地面にはさらに多くの油が散らばっていた
一言で言えばデカい
あまりにもデカい
私達が携わっている飼育動物達でも最大で8mほどのイルカだが
この目の前に横たわっている物体はそれを大きく上回る
胴回りや体長だけでなく頭部の大きさだけでも尋常でない代物だった
これを見た途端に車内での不調が吹っ飛んだのだ
測定した結果
体長13m
体重およそ40t
成体の雄のマッコウクジラ
スケールの違いに唖然となる一同
しかしすぐさま作業に取り掛かる
用意していたものは
解剖時に必要なメスや鉗子、手袋、刃渡り20センチにもなるナイフ、研ぎ石
これを3セットほど持ってきていた
まずやる事は
『新鮮な表皮の細胞採取』
単体でのストランディングであってもDNA鑑定や緻密な検索をし
どこの群れで死因はなんだったのか
調べなければならない
些細な情報が日本近海の多くのストランディングに役に立っているのだ
表皮を1センチ角に切り取り、暑さ10センチを引き抜く
バンドウイルカでも冬季には5~6センチほどの脂肪層があるのだが
マッコウクジラはもっと深く厚い脂肪に覆われている事がわかった
生きて行く上での必要な物
それは昔から日本人が大切にしてきたものなのだ
次には『歯の採取』
今ではワシントン条約にも規制されているらしく、1本手に入れるだけでも相当のお金が必要な物だ
上下の顎でおよそ50本ほどある歯を10本採取する
マッコウクジラともなると歯鯨類最大の動物なので
1本の歯の大きさも尋常ではない
みんなが持っている携帯電話
これよりも二周りほどデカいのだ
顎から外す為に歯間に大きなナイフを入れ突き刺す
これがなかなか取れない
なんとか10本を採取し終わった時には
すでに夕方に変わっていた
この歯は自館や他園館に寄付され
来館されるお客様用の展示等に使用される
文字数足りないのでまた書きますwww
よいお年を
- 目前にある巨岩の奥