向日葵さんとモバ友になろう!
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- 2009/12/18 23:41
- 『それは』その2
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- ある朝
水族館に釣り人からの電話がかかってきた
それが全ての始まり
話によれば、熱海のとある海岸で巨大な生物がうち上がっていると言う
鯨ではないか?と不思議に思っての連絡であった
私が勤めていた下田海中水族館は伊豆半島の南端に位置しており
発見現場までは1時間半の道のり
連絡を受け、早速車にエンジンをかける
必要なものを数点用意し
私を含めた4人が車に飛び乗り、海岸線をひた走り続けた
途中、幾つもの予測や憶測をそれぞれが話始め、期待と興奮が車中を包み込んだ
『巨大って言っていたけどどのくらいだろう』
『生きているのか、はたまた死んでいるのか』
『これが新種だったりして』
皆、通り過ぎる景色の中に浴びせるかのように意気揚々と言葉を発し、膨らむ胸を押さえきれなかった
私は到着するまでの間、鯨類図鑑を執拗に眺め鯨類に有る不思議な生態を再び再認識した
本を読んだおかげで少し体調を崩したが
後にその不調は跡形もなく吹き飛んだ
長い道のりで海を見飽きた頃に車はスピードを緩め坂道を降りていく
そこで止まった
到着したようだ
荷物を持ち、4人は車を降り
ギラギラと目を光らせ、この先にあるまだ見ぬ『それ』に期待していた
現場は
夏には観光客で賑わう浜辺ではなく
その端にある、ゴツゴツとした大きく黒い岩がいくつも並ぶ場所であった
浜辺からその場所を見ると
至って普通の岩場だが
何故か、ちらほらと白い付着物が辺りを覆っている
すぐさま近寄り付着物を確認すると
それは油だ
油が白く酸化しているのだ
それもかなり大量にあり、この量と変化の具合から言って
ここ2週間以上前には、うち上がっていたに違いない
つまりは死んでいる
一同、息を呑む
一瞬の静寂の後、一人が口を開く
『この近くだ』
続きはまた今度です
気になる?気になる?
- ある朝