(彩ω`*)さんの日記

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- 2011/3/21 14:49
- 夫の最後の贈り物、指輪に誓う[娘と強く]
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- 夫の荷物の中に指輪があった。
  ﾎﾜｲﾄﾃﾞｰのﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄにこっそり買ってくれていたらしい。その夫は今、遺体安置所で眠っている。東日本巨大地震で壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市。同市元吉町寺谷、主婦大原枝里子さん(33)は夫の顔についた泥をぬぐい優しくｷｽをした。11日午後、自宅で揺れに襲われ津波から逃れる為避難所を目指して車を出そうとした。その直前、運送会社で運転手をしている夫、良成(よしなり)さん(33)から携帯に電話が入った。[大丈夫か]、[もう繋がらないかもしれない]泣き叫ぶ子供2人を両腕に抱え思うように話せない。間もなく通話が切れた。これが最後の会話になった。海に向かう形になるが、頑丈な小学校の校舎を目指した。20分も経ったろうか、逃げる車で渋滞し少しも進まない。[もうぶつかっても仕方ない]意を決して対向車線にﾊﾞｯｸで車を出しｱｸｾﾙを思い切り踏んだ。眠前に津波が迫り、2台前の車が濁流にのまれた。助手席と後部座席には、長女里桜(りお)ちゃん(2)と次女里愛(りあ)ちゃん(5か月)。2人を守ろうと必死で約50ﾒｰﾄﾙ後進し、何とか助かった。海から離れた避難所に行く事にし、その日は車中でｶﾞｿﾘﾝ節約の為、暖房なしで夜を明かした。翌日から避難所では苦しい生活が待っていた。子供の服におしっこやよだれが付いても乾くのを待つしかない。地震で哺乳瓶は全て割れ、避難所にあった哺乳瓶を他の家庭と共有した。ｽﾄﾚｽで母乳が出ない。ｽﾎﾟｰﾂ飲料をお湯で薄めて与えても、里愛ちゃんはなかなか受け付けず脱水症状になりかけた。お尻拭きがなくなり里愛ちゃんのお尻はかぶれ血が出始めた。夫の悲報を受けたのは17日。気仙沼周辺で配送作業中に津波にのまれたらしいと、夫の上司から知らされた。18日、子供が眠ったのを見計らい遺体安置所に向かった。目の前の棺中で眠っているのは間違いなく良成さんだった。涙が溢れ出た。ｷｽをしながら[愛してるよ]とつぶやいた。遺体に何か着せてやろうと倒壊を免れた自宅に戻り、会社から引き取った荷物にふと目がいった。指輪が入っていた。以前[たまには指輪とか欲しいけどﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄくれるような人じゃないもんね]と意地悪を言ったのを思い出した。避難生活が長期化し、子育てはますます大変になっている。この状態がいつまで続くか分からない。でも指輪を残してくれた夫に約束した。[この子たちは私が責任をもって育てるから。]
  
  少しでも多くの人に読んでもらいたくてmixiからｺﾋﾟｰ