Mexicanoさんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2009/12/27 21:55
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私の母は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えない、質素で見映えの悪い物ばかりだった。
友達に見られるのが恥ずかしくて、毎日食堂へ行き、弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝母が嬉しそうに「今日は○○君の大好きなエビ入れといたよ」と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま高校へ行き、こっそり中身を確認した。
すると確にエビが入っていたが、殻剥きもめちゃくちゃだし、
彩りも悪いし、とても食べられなかった。
家に帰ると母は私に「今日のお弁当美味しかった?」としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、いつもの母の弁当に対する鬱憤も溜っていたので、
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたよ!もう作らなくていいから」とついきつく言ってしまった。
母は悲しそうに「気付かなくてごめんね…」と言いそれから弁当を作らなくなった。
それから半年後、母は死んだ。私の知らない病気だった。
母の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると私の弁当のことばかりが書いてあった。
「手の震えが止まらず上手に卵が焼けない」
「今日は○○君の大好きなエビを入れた。相変わらず体が思うように動かなくて、
ぐちゃぐちゃになっちゃったけど…喜んでくれると良いな」
日記はあの日で終わっていた。
とさ。