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    • 2012/11/10 20:26
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    •  山中の真上に浮かぶオリオン座、さそり座、色とりどりのそれぞれが黒の布地に、輝く光点をともしていた。
       いや、なにかおかしい。なぜかある一点の星が軌跡を描いている。その星は輝きを伴いつつ、徐々に肥大化している。

       秀雄はゲッと呻きながら、二本の足を全力で駆ける。

       星は秀雄に向かってきていた。いったいNASAも宇宙防衛司令部もどうなっているのだろうか。確実に狙いすましたように地表を目指しているではないか。普通一個の隕石が落ちるだけで世界がどよめくはずなのに、それを嘲笑うかのように隕石は轟々と突き進んでいる。

       秀雄は走った。息も絶え絶えに。
       隕石は軌跡を描く。自由自適に。

       まるでストーカーのように追ってくる。

       もうダメだ。逆光を浴びた秀雄はそう思った。そして、木の根に引っ掛かり、その場で倒れ込んだ。隕石が落ちた場所がどうなるかくらい知っている。一粒の地点を潜り進み、すり鉢の形状になるのだ。秀雄の姿など消し飛んでることだろう。
       しかし、秀雄の瞼は閉じていなくても、世界は見えていた。

      「どうなっているんだ」

       秀雄が振り返ると、そこには周囲に黄金を発する少女がいた。髪は金髪で、艶のあるアヒル口だった。珠玉の瞳の輝き。衣服は秀雄が間近で見たことすらないレースを何十にもあしらったドレス姿。
      「そなたが、初めて会う人間一号かのう。なかなか異星人とは不思議な感情を抱かせるものだのう」

      「あんた、地球人じゃないのか!」
       秀雄は引き絞った声でたずねる。

      「おっ翻訳機はばっちりじゃ。わしはこの銀河から千光年もはなれたカグヤ星からきたメルサ第一王女じゃ」

      「それがなんで、貧乏学生で底辺の俺なんかのところに」

      「ほう、貧乏学生の底辺。なんと! アメリアとかいう大統領に会う予定じゃたのに失礼した。では、貧乏不細工学生よ、さらばじゃ」

      「不細工は余計だ」
       メルサは秀雄のツッコミに気分を害した様子もなく、再び光り輝き帰っていった。


       いったいなんだってんだ。
       秀雄が家に帰ると、電気がついていた。消し忘れたのかと思ったが、それは違った。
      「第一にはまず地球人としての生態を知るのが重要だと気づいてな、しばらく厄介になるぞ」
       メルサはそこにいた。

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