空中分解さんとモバ友になろう!
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- 2012/11/8 18:28
- 悪ガキ勝負
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- 悪戯をすれば近所に敵うものなしを自負するジルは相当の悪ガキでした。近所の犬をリードから外して、じいさんを慌てさせたり、隣の板張りの塀に汚い言葉を書きなぐったり、やることなすこと全て目茶苦茶だった。
しかし、そのライバルとして、隣の家のキンバリー一家のラムというイラズラっ子もいました。
ある日、お互いに目を合わしたあと、いつとなく文句の言い合いが始まりました。
「ジル、お前の悪戯なんて大したことないね。俺のほうが近所の親玉なんだぞ」
とライバルにあたるラムが、腕を組んで高らかに宣言します。しかし、それを聞いたジルが黙るはずもなく
「ラム、そんな馬鹿なこと言ってりゃ、ずいぶんとお前の頭はやられてんだな。俺のほうがどうひいき目に見てもすごいに決まってら」
いつもながらに言葉を交わしますが、これでは決着がつきません。
そこでジルはある提案しました。
一ブロック先にある大学ラグビー選手の寮に侵入して、そこに飾ってある大学優勝トロフィーを奪ってくるというものでした。ラムはそれを訳もないという顔つきで承諾しました。
いざ決行の時。
二人はトロフィーを奪いあうために、大学の寮に侵入しました。
初めての建物内だったので、都合がつかない中でした。別れ道ではラムは右へ、ジルは左へとそれぞれ別れることになりました。
しかし、程なくしてラムの苦しいような叫び声が聞こえました。どうやら筋骨隆々の選手にタックルでも受けたようです。
残るジルがトロフィーを取得すれば、勝利は確定です。
その時、グルルと唸り声が聞こえました。恐ろしいドーベルマンが犬歯を剥き出しにしています。噛み付くまで数秒前。しかし、そんな秒読み中でもジルは平静でした。
ポケットのなかをゴソゴソと漁ると、ドッグフードがでてきました。
それをポイッと投げると、ドーベルマンは素早く飛んでいきました。あちこちを鼻でかいで、餌を探しているもようでした。
ジルがふと奥の一角を見ると、トロフィーを入れるショーケースがありました。
「やったぜこれで俺の勝ちは揺るがない」
そういってショーケースからトロフィーを取り出した。
しかし夕方、顔をパンパンに腫らしたラムが気づきました。
「これ、犬のトロフィーじゃん」
二人の優劣はまだ付かないようです。
- 悪戯をすれば近所に敵うものなしを自負するジルは相当の悪ガキでした。近所の犬をリードから外して、じいさんを慌てさせたり、隣の板張りの塀に汚い言葉を書きなぐったり、やることなすこと全て目茶苦茶だった。