空中分解さんとモバ友になろう!
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- 2012/11/5 21:29
- スーパー戦争
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- 距離にしてわずかニメートル先のワゴンに積まれたキャベツの玉。
俺のグロック19を握りしめる手に、玉の汗がたまる。残弾はしっかりある。
勝負にでるなら今か。
俺が立ち上がると誰もその場にいなかった。
。いや、そいつらは隠れているのだ。野菜のケース横や、俺と同じようにかがんでやり過ごしていただけだ。
だが、その均衡も崩れた。
互いの自動小銃が火を吹く。
「クッ、さすが特売キャベツ。みんなの狙い目だってことか」
俺は即座にバナナの棚に飛び込み前転をして、軽やかに標的から外れる。
今のうち銃創はなし。交戦中の自動小銃の当たりどころなどたかが知れているが、敵の射撃の腕前も大したことないらしい。
そろそろ終いにしたいな。
そう決意を胸にしていると、トランシーバーから応答を求める声がした。
『こちら弟、母の特攻の甲斐あって、トンカツ肉ゲットしました。兄者の首尾はどうですか』
『わかった、未だ交戦中。ただし、必ず獲物はゲットする。会計前で落ち合おう』
トランシーバーを切ると、俺の覚悟も強くなった。
もはや残すところ俺のブツだけだ。それでこのミッションは完遂する。本日のオペレーション、トンカツ大作戦。しめには絶対にあの。
「シャキシャキしたキャベツが必要なんじゃい」
俺は横っとびでまず一人の銃を撃ち抜く
。さらに、勢いを殺さないように回転して、口でピンを引き抜き、ケース横に隠れているばあさんに、閃光手榴弾を投げ込む。
ばあさんは銃を落として、悲鳴をあげる。
これで、ミッションコンプリートだ。
おれはキャベツの玉を手にとる。
そして勝利の余韻に浸りつつ、家族と落ち合った。互いに手にしたものをみせあう姿がなんとま誇らしい。
あとは会計をまつだけだ。五百円硬貨を賽銭入れにのせる。
「すみません。510円なんですが」
会計の声に耳が遠くなった。
本日の軍資金は五百円。
- 距離にしてわずかニメートル先のワゴンに積まれたキャベツの玉。