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- 2011/12/16 22:35
- 手袋のおっさん
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- 雪で思い出した
去年の冬の話。
うちの部署に短期のアルバイトで、派遣から五十前半くらいのおっさんが二週間程来てたんだ。
見た目は小汚い青の作業着で、頭ハゲ散らかした、いかにも貧困ビジネスの被害者って感じで、負のオーラ全開。
そしてそのおっさん、車出勤なのに何故かいっつも鮮やかなインディゴブルーのスキー用の手袋をはめてきてたんだ。
勿論1ミリも似合っていない。というか、パッとみ老害でちょっとイカレちゃった戦隊モノのおっさんブルーって感じだった。
ちなみにおっさんの仕事は、屋内での簡単な軽作業。
だから手袋とか防寒の類は全く必要なし。
だけど毎日はめて来てた。
まあ変なの来るのは慣れっこだったから、またおかしなの来たなーくらいで初日は終了。
それから一週間
その日は初雪で、いつにも増してすげー寒い日だったのにも拘わらず、おっさん何故か素手で出勤してきたんだ。
寒さで揉み手しながら。
気味悪かったけど「いつもの手袋どうしたんですか?」とおっさんに聞いてみたら、昨夜飲みに行った時に無くしてしまったとの事。
飲みに行く時もしてくんだwと思いながらも、なんだかしょんぼりしてたんで、気持ち悪いけど黄色いイボ付き軍手を二枚重ねにしてくれてやった。
んで二週間後のおっさんのバイト最終日。
朝礼終わりにおっさんがオレん所に来て
「あの時は軍手ありがとう御座いました!よかったらこれ飲んで下さい!」と深々と頭下げてきた。
両手には新品の真っ白なスキー用手袋に握られてた缶コーヒー2本。
「なんでまたスキー用なの?」
と思いながらもこちらもコーヒーを受け取り軽く会釈した。
「なんだいい人だったんじゃん。気持ち悪いとか思っててごめんね」と思ったその瞬間…
あれは今でも謎なんだけど
缶コーヒー渡したオッサンの真っ白い手袋の手の甲の部分に大きく油性マジックで「オレの」って書いてあったんだよ。
カタカナとひらがなで。
おっさんよ…
オレのって誰のだよ…
ほんと、あれは今でも忘れられない。
- 雪で思い出した