黒時 砂琉さんとモバ友になろう!
日記・サークル・友達・楽しみいっぱい!
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- 2012/10/31 18:07
- ハロウィン短編
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- 煌びやかな橙の電飾がまたたく下で、仮装した少女達が一層とはしゃぎたてる。彼女らに向けて携帯電話のシャッター音とフラッシュがたかれる中、それを遠目に見やっていた斉藤がぼそりと呟いた。
「女子は良いよな」
「下心やめろはしたない」
間髪入れずに隣にいた佐藤が、蔑むようにちらと斉藤の顔を横目に見る。
その一言に対して「違うって」と斉藤は呆れ顔で否定した。
「仮装できるのが羨ましいんだよ」
「ならお前もすりゃあいいだろ」
疑問視する佐藤をよそに、斉藤はこれまた「違う」と呟き、ふふんと鼻を鳴らした。
「もう人気の役は女子に取られてるんだぜ。俺は人と被るなんて絶対にイヤだね」
だったら何がいいんだ。そう発する佐藤を見やり、腕を組んで空を仰ぐ。その歪んだ唇からこぼれ落ちた言葉はうなり声であった。
「どうせなら、男だからこそできる仮装がいいな。でも吸血鬼とかは今や女子でも似合うし……」
しばらくうんうんとうなっていた斉藤だが、ふと俯かせた顔を上げ、ハッと目を見開かせ、校舎へと唐突に駆け出していった。
それが、十分前に起きた斉藤の前兆である。今佐藤の目の前にいる斉藤らしき人物は、全身が黒タイツという人目を惹く出で立ちで屹立していた。闇に溶ける黒いヘルメットもまた、さらに異様さを際立たせている。
「どうだ。これなら女子にも真似できまい」
結局、数日間彼のあだ名が「変質者」となっただけで、良い意味での人気を博することはできなかったようだ。
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久しく小説を書き起こしたら悲惨なことになりました。
改めまして、ハッピーハロウィン!
先日ユニバーサルシティに行きましたところ、あちこちで仮装姿の方々をお見受けしました。麦わらの一味とか、三つ子の兎とか、メイドさんとか。比較的に女性が多かった印象があります。
そんなこんなでぶっちぎりまして、それでは良い月末を!
- 煌びやかな橙の電飾がまたたく下で、仮装した少女達が一層とはしゃぎたてる。彼女らに向けて携帯電話のシャッター音とフラッシュがたかれる中、それを遠目に見やっていた斉藤がぼそりと呟いた。