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- ココア大好き
- 関係:迷子の大人
- 彼は幼少の頃から女性が嫌いだった。
思春期の頃、周りの皆が女の話で盛り上がっている時も彼は一歩引いたたち位置で決まってこう言った。
『女なんて弱いくせにガミガミうるせーし、ワガママなだけじゃん?筋肉が足りない。柔らかいのキモい』
彼がそこまで言うのには悲しい理由があった。
彼は3人姉弟の末っ子で、歳の離れた姉が二人いた。
まだ彼が小さいとき、性に多感な年頃だった姉達は、一番身近な異性である弟を興味の対象にしたのだ。
今考えれば本当にたわいもない、ちょっとした悪戯程度だったのだが、まだ小さな彼にはとてつもない恐怖に感じ、トラウマになってしまったのだ。
あれ以来彼は女性が怖い。
そんな事などとうに忘れ、幸せそうにしている姉達に憎しみさえも抱いている。
しかし恐怖ゆえに反抗することなど出来ず、心に抱いた闇をひた隠しながら、彼は今日も呟くのだ。
『ウホッ……いい男………』