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- 2012/7/28 21:47
- 欲張り聖女と人魚姫/3
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- にんぎょひめはこえをうしないあわとなってきえました―…
しんぷさんはししゃをとむらううたをかなしそうにうたってました―…
ま、優しいあたしが今度、クレープ慢ってやるよ、さやか。
再び巡る走馬灯。
…はっ、お決まりの結末、悲しい唄、守れない約束なんざいらないね。
あたしはあたしの結末を迎えてやるよ
【―……っ…】
絞り出した声で紡いだ幼い頃に聞いた死者を弔う唄。
目前の友人を包む様に抱き締め笑顔で唄う。
友人は全てを悟った様に、あたしの下手な唄に酔い痴れるように抱擁を返してくれた。
ったく、ンな時には素直なんだな、と思う矢先に淡い青を包む黒、その中に彼女の悲しみの雫が混ざる。
そう、泡の様に―…
ああ…
そうか、コイツは人魚姫であたしは王子様、なんだ。
色々気持ち悪いトコや突っ込み所はあるがあたしは勝手にそう思った。
うん、…負けたよ、さやか。
確かに理屈じゃあない、ね。
今になってわかった。
だけどあたしは諦めないからな、神様?とやらに願ってやるしあたしの―…あたし等の欲望も押しつけてやるよ。
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にんぎょひめはこえをうしないあわとなってきえそうなときにおうじさまにだきしめられました。
そしておうじさまはししゃをとむらううたをえがおでうたいました
ふたりでつぎもうまれかわってうたをうたえますように、とねがいましたがぶきようでよくばりなせいじょはふたりでつぎもうまれかわって、うたをうたうがらじゃないのでせいじょがおごったくれーぷをふたりでえがおでたべれますように、とねがいました
その願いを神が受け入れたかの様に二人の刻は、命は同時に止まった。
次の約束、逢瀬、至福迄の長い時間までを二人寄り添う様に眠るために一度刻は、命は止まりました、とさ。
終わり
- にんぎょひめはこえをうしないあわとなってきえました―…